「iDeCo」と「つみたてNISA」はどちらも節税効果のある制度です。資金に余裕があるのなら両方とも最大限に活用するのが良いと考えられます。
しかし、開始年齢や余裕資金などに制約がある場合、どちらかを優先させて検討する必要があります。
~目次~
◆制度目的からみた場合の向いている利用者
◆積立期間、運用期間からみた場合の向いている利用者
◆その他の特徴からみた場合
◆自分にはどちらが合っているのか
◆制度目的からみた場合の向いている利用者
iDeCo
・厚生労働省が管轄
・高齢期の所得確保を目的とした「年金制度」
・公的年金にプラスして給付を受けられる私的年金制度の1つ
年金なので、日本在住の基礎年金番号を有する人の為の制度。
つみたてNISA
・金融庁が管轄
・家計の安定的な資産形成を支援するための「少額投資非課税制度」
・投資初心者をはじめ幅広い年代の方にとって利用しやすい、少額からの長期・積立・分散投資を支援するための非課税制度
積立投資で、日本在住の20歳以上の少額個人投資家の為の制度。長期・積立・分散投資に適した商品となるよう条件を設けているので、投資初心者の利用にも向いている。
◆積立期間、運用期間からみた場合の向いている利用者
iDeCo
積立:60歳の誕生日の前月まで積立てができる
運用:原則60歳まで運用しなければならない
60歳以降は「給付を受ける」か「運用指図者となり運用を継続する」か選択
分割して給付を受ける場合の残金は、70歳以降も運用される

若年層は積立と運用の期間を長くとれるので、所得控除や運用益非課税や複利効果の恩恵が大きい。
つみたてNISA
積立:2037年まで積立てができる
運用:最長20年間運用できる

開始年齢にかかわらず最長20年間運用できる。
◆その他の特徴からみた場合
iDeCo
・掛金が全額所得控除
・元本確保型の商品がある
・原則60歳まで現金の受取ができない
・加入者期間が10年未満の場合、受給開始年齢が引き延ばされる
所得控除により税の軽減を受けられる人には恩恵が大きい。
元本確保型商品があるので、投資商品に抵抗がある人でも利用しやすい。
つみたてNISA
・積立運用中いつでも売却して現金の受取りができる
・毎年の積立金の非課税運用期間は最大で20年間
投資初期段階に元本割れを経験することが多々あるので、投資初心者は安易に売却しないように心がける必要がある。
非課税運用期間最大20年間は、中高年層には長く、若年層にはiDeCoと比べて短い。
◆自分にはどちらが合っているのか
①20代、30代若年層/所得税や住民税の支払い有
・所得控除のあるiDeCoをメインに、余裕があればつみたてNISA
・どちらの商品を選ぶ際も、ある程度リスクをとることが可能
②20代、30代若年層/所得税や住民税の支払い無
・将来の年金を補う目的で、より長期運用が可能なiDeCo
※元本確保型商品の比率が大きいと手数料負けする場合があります
③40代中年層/所得税や住民税の支払い有
・所得控除のあるiDeCoをメインに、余裕があればつみたてNISA
・iDeCoの商品を選ぶ際は、低リスク商品も含めて検討する
④40代中年層/所得税や住民税の支払い無
・将来の年金を補う目的で、より長期運用が可能なつみたてNISA
⑤50代中高年層/所得税や住民税の支払い有
・受給開始年齢が引き延ばされてもよければ、所得控除のあるiDeCo
・iDeCoの商品を選ぶ際は、元本確保型商品も含めて検討する
⑥50代の中高年層/所得税や住民税の支払い無
・将来の年金を補う目的で、つみたてNISA
※上記はあくまでも参考として紹介しています
つみたてNISAは投資ですが、iDeCoを補完する要素があります。iDeCoを限度額まで利用している人や、iDeCoの恩恵を受けることができない人には使い勝手の良い制度だと考えられます。