2021年10月:
芸術の秋ということで、随心院と醍醐寺で京都の美術を堪能して来た。どちらの寺院も古美術品と現代美術品を所蔵しているので、襖絵や屏風画の色使いや画風を過去と現代で比較できるのも見どころの一つだった。とりわけ醍醐寺は文化財の宝庫と言われていて、建造物や仏像、庭園もすばらしかった。残念だったのは撮影禁止の美術品がほとんどで、画像として記録を残すことができなかった。
東西線小野駅で下車し、徒歩で随心院へ向かった。見どころは表書院の襖絵と能の間の小町絵図だが、小野小町ゆかりの地とされるこの寺院の屋外には、「小町の化粧井戸」や「小町文塚」もあるので併せて訪れたい。
能の間の極彩色梅匂小町絵図は現代美術で、小野小町の生涯を「生誕の図」「饗宴の図」「伝承の図」「夢幻の図」の四構成で描き出しているのだそうだ。また少し遊び心があって、よく見ると世界三大美人のクレオパトラ、楊貴妃、小野小町が一緒に描かれていたり、大衆の中に携帯電話を持っている人がいたりする。
表書院と奥書院は撮影禁止だった。江戸時代に描かれた金色の襖絵のある部屋だった。
その後、徒歩で醍醐寺へ向かった。醍醐寺は「上醍醐」と「下醍醐」から成るとても広いお寺で、下醍醐には「三宝院」「伽藍」「霊宝館」の3つの拝観エリアがあり、霊宝館では春と秋に宝物展示会が行われる。
まず霊宝館へ行った。醍醐寺の国宝や重要文化財である彫刻や絵画が展示されていた。また、醍醐寺の開祖である聖宝が空海の実弟の弟子であることから、空海の書籍も多数展示されていた。館内の展示物はすべて撮影禁止だった。
次に、建造物が立ち並ぶ伽藍エリアを散策した。国宝の金堂や五重塔などが建っていた。弁天堂は紅葉の名所になっている。
その後、三宝院へ行った。屋内の美術品を見るためには別途拝観料が必要だった。内部は撮影禁止だったが、庭園側の写真は撮ることができた。見どころの一つである表書院は続き間になっていて、左右に並ぶ金色の襖絵が奥行きを作り出すので迫力があった。純浄観では現代画家浜田泰介さんの桜と紅葉の襖絵が鮮やかだった。この日はもう一つの見どころである快慶作弥勒菩薩像も見れたが、非公開の時もあるようだ。豊臣秀吉が設計に関わったとされる庭園も素晴らしかった。
昼食はフレンチレストラン、スゥ・ル・スリジェでとった。醍醐寺にはお手頃で美味しそうな食事処がいくつかあるので、食べるには事欠かない。
その後、上醍醐まで登山をした。登山道は石階段になっていて歩き易かった。上醍醐は醍醐寺発祥の地で、建造物は国宝や重要文化財に指定されていた。建造物の中にあった仏像などの宝物は、上醍醐の霊宝館で保管、展示されていた。
10:10 東西線小野駅
10:25 随心院(拝観料500円/大人)
11:30 醍醐寺
霊宝館(寄付500円以上/1人)
伽藍・三宝院(拝観料1,000円/大人)、三宝院御殿特別拝観(500円/大人)
12:30 昼食
13:30 上醍醐登山開始(入山料600円/大人)
15:30 登山終了
17:00 東西線醍醐駅